『ELDEN RING』のクリアにかかった87時間、私は感情を徹底的に揺さぶられた。最も手ごわい試練に打ちのめされたときの怒り、ついにそれを乗り越えたときの高揚感、そしてフロム・ソフトウェアがこれまでに考え出した中でも屈指の難しさのボス戦で、道中に失った山のような経験値への少なからぬ悲しみ。しかし何よりも、私はほぼずっと畏敬の念に打たれていた。息をのむような数々の絶景、途方もなく巨大な世界の圧倒的なスケール、しばしば身の毛もよだつ敵たち、そして『ELDEN RING』が私の好奇心にほぼ必ず、興味深い出会いや価値ある報酬、あるいはそれ以上のもので応えてくれたことに。フロム・ソフトウェアは、 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』 が転がし始めたボールを受け取ってさらに先へと進め、何よりも自由と探索を重視した、魅力的で密度の高いオープンワールドを作り上げた。しかも、その中心に本格的な『DARK SOULS』のゲームを見事に織り込んでいる。『ELDEN RING』が私にとって最も忘れがたいゲーム体験の一つになったことは、誰にとっても驚きではないだろう。
デベロッパーSupermassiveのこれまでの作品の多くと同じく、The Quarryはホラー映画を愛する人々によって、そしてそうした人々のために作られた作品であることが明らかだ。序盤からじわじわと緊張感と雰囲気を積み上げ、殺される可能性のあるティーンエイジャーたちの行く末を左右する小さな選択を絶えず迫ることで、プレイヤーを物語へ引き込んでいく。血しぶきが飛び始める頃には、どの選択も転がり落ちていく惨劇への一歩に感じられ、手を止めるのがほとんど不可能になっていた。しかし、もう一度プレイし直してみると、The Quarryの大部分が実際にはいかに非インタラクティブであるかを無視できなくなった。 Until Dawnの精神的続編として、映画としては優れているが、ゲームとしては劣っている。
物語の主役は、夏の終わりにもう一晩だけ森に足止めされた9人のキャンプ・カウンセラーたち。日常に戻る前の最後のパーティーを開くくらいしかやることはない。だが(当然ながら)木立の向こうから彼らを狙う何かが潜んでおり、カウンセラーの誰が夜を生き延びられるのか、あるいは誰も生き延びられないのかは、プレイヤーの選択次第だ。この設定は進行するにつれてかなり定石どおりのホラーのプロットを3つ重ね合わせていくが、Supermassive Gamesがそれらをどう結びつけるかを考えるのを大いに楽しんだのが伝わってくる。プレイ中はあるタイプのホラー映画の中にいると思っていても、実は別のタイプの映画の中にいることがよくあるのだ。
一見すると、アリゾナ州ツーロックは、転がる枯れ草と数列の家並みしかない辺ぴな町にすぎない。しかし、見た目どおりのものはほとんどなく、『As Dusk Falls』の幾重にも重なる物語の奥深さを明らかにするのに必要なのは、 数十年にわたる 小さな悲劇一つだけである。そしてすべては物語にかかっている。本作は、Telltaleの 『The Walking Dead』 シリーズや 『十三機兵防衛圏』といったゲームから巧みにアイデアを取り入れた、選択型アドベンチャー形式のグラフィックノベルだからだ。個性的で興味深いキャラクターたちを声優陣が演じ、その一人ひとりが、しばしば相反する独自の感情的な思惑を抱えており、それが論理的かつ巧みにつながった何百もの方向へと物語を加速させていく。自らの行動がもたらす強力で、しばしば広範囲に及ぶ結果を通じて、この小さな町は、よそ者が最初に予想するよりはるかに深い秘密、悪徳、家族の絆に満ちた火薬庫であることが徐々に明らかになっていく。
探索する価値のあるサイバーパンク世界を舞台に、猫が主役の心温まるプラットフォーム・アドベンチャー。
言葉を話さない主人公はビデオゲームでは珍しくないが、『Stray』はそのコンセプトを実に興味深い場所へと押し進めている。プラットフォーマーと従来型アドベンチャーが半々に混ざった本作では、ネオンに濡れたロボットたちが暮らすサイバーパンクの世界が、地面からわずかしか離れていないプレイヤーの視点からは巨大なジャングルジムへと姿を変える。ごく普通の猫の足に身を置くという発想は表面的には他愛ないものかもしれないが、『Stray』はその毛むくじゃらの乗り物を使って、道中の楽しいアクションを交えつつ、本当に心をつかむ物語を語ってみせる。すべてのアイデアが猫のように足から着地するわけではないが、愛らしい冒頭の数分から与えられたふわふわとした気持ちは、どうしても振り払えなかった。
スーパーヒーロー同士の激突を見ていて特に好きな瞬間のひとつは、誰かが強烈な一撃を食らって後ろへ吹き飛び、頑丈な壁を突き破ったり、タンクローリーを爆発させたり、仲間に激突したりする場面だ。神のようなキャラクターたちがどれほど強いはずなのかを見事に示すもので、スーパーヒーローゲームがその感覚をうまく捉えきれないといつも残念に思う。しかし『Marvel’s Midnight Suns』でFiraxisは、アイアンマン、ドクター・ストレンジ、ブレイドらが、壊そうとしているおもちゃのように敵を吹き飛ばす楽しさを軸に、奥深く革新的なターン制タクティカル戦闘システムを築き上げた。そしてそれは、意外なほど広大なRPGキャンペーンの約75時間を通して飽きることがなかった。もっとも、その時間の多くは戦闘以外に費やされる。人気のヒーローから知名度の低いヒーローまで十数人を超えるマーベルのキャストと親しく触れ合えるのは確かに魅力的だが、地球最強のヒーローたち全員を親友にしようとする部分はやや行き過ぎの感がある。
多くの人と同じように、私も小学3年生のころから本当に素晴らしいハリー・ポッターのゲームを待ち続けてきた。その間には、まずまずの レゴ・ハリー・ポッターのゲームや、なぜか出た物足りないEAスポーツのクィディッチのゲームがあり、 ハリー・ポッター Kinectという熱に浮かされた悪夢にも耐えた。しかし、秘密の世界への扉を開くホグワーツの入学許可証を受け取るという夢をかなえるものには、どれも遠く及ばなかった。うれしいことに、『ホグワーツ・レガシー』で、ついにその魔法の一端をとらえたハリー・ポッターのゲームが登場した。オープンワールドのマップはホグワーツ魔法魔術学校の雰囲気を見事に再現し、呪文を駆使した戦闘は驚くほど楽しく、登場人物は魅力的で忘れがたい。さらに、何十時間も没頭できる無数の寄り道が満載だ。技術的に最も優れた作品ではないかもしれず、敵の種類の少なさという呪いにかかっているのも確かだが、『ホグワーツ・レガシー』のどんな欠点も、魔法ワールドへのこの見事な訪問を引きずり下ろす「ディセンド」の呪文にはならない。
2019年と2020年に発売された バイオハザード RE:2 と RE:3 という高品質なリメイクを見れば、カプコンがバイオハザード4の再構築でも同じように見事な仕事をするのは間違いないと思えた。それでも、2005年の伝説的アクションホラーをリメイクした2023年版のスタートボタンを押したとき、これほど強烈に膝を崩され、16時間に及ぶ緊張と高揚の中へ頭から叩き込まれるとは思ってもみなかった。完全に生まれ変わったこのキャンペーンは、考えうるほぼすべての面でオリジナルを劇的に上回っている。スペインの田舎という舞台ははるかに不気味になり、テンポは1分たりとも無駄がないほど引き締められ、操作系は現代化されて、本作ならではのダイナミックなシューティングの手触りが真価を発揮している。私は18年間、バイオハザード4と同じ興奮を味わわせてくれるゲームを待ち続けてきた。結局のところ、ずっと待っていたのは「もう一つのバイオハザード4」だったのだ。